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第四回 椅子張り作業の道具紹介 かき出し

2023/01/13

椅子・ソファの製作・張替えの種沢製作所の河西です。

今回ご紹介するのは「かき出し」という道具です。

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この道具が「かき出し」と言います。

パっと見、千枚通し?目打ち? ですよね。
私は文房具屋の息子でしたので、入社当時「千枚通しじゃん!!」なんて言ったら、先輩にえらく笑われた思い出があります。

では、なぜ、この道具が目打ちではなく「かき出し」と呼ばれているのかというと・・・
文字のごとく、かき出す作業に使っていたからです。
何をかき出すのかというと、昔と今ではシートの中の充填物が違いました。
今はウレタンを使います。
しかし、昔は天然素材の藁、芝草、パーム、海藻、馬毛などなどをクッション材として使っていました。
この充填物をヘッシャンと言われる麻布でかぶせて、形を作っておりました。
椅子を形どる土手と言われる場所も藁を入れてヘッシャンでかぶせて、糸できつく縫いながら形を作ってました。
その際、ヘッシャンでかぶせた藁などの中材を「かき出し」を使い、手前にかき出す作業からこの道具は「かき出し」と呼ばれるようになりました。

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土手の画像です。

今はかき出す作業が少ないので、いろいろな用途に使いますが、メインはこちら。
タッカーの針を抜く作業。
わりと多くの職人がこのような使い方をすると思います。

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タッカーの針の所に「かき出し」の先端を当て

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「かき出し」の柄部分を木ハンマーでたたきます。

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タッカーの針の下に「かき出し」の張り先が入りました。

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てこの原理で針を起こします。

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起きた針をニッパーで抜きます。

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針が抜けました。

この使い方以外にも、いっぱいの使い方がある「かき出し」
椅子張り屋にとって欠かせない道具の一つです。

次回は何を紹介しようかな。
お楽しみに!!

河西

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